プロボクシングWBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(32=フィリピン)が再び王座剥奪の危機にさらされた。22日(日本時間23日)、英リバプールで同級1位ポール・バトラー(33=英国)との5度目の防衛戦に備えて英国入りしているが、19日(日本時間20日)の米専門誌ザ・リングなどによると、サウナの使用に関する英国ボクシング管理委員会の医療方針の条件に違反したという。英国到着後カシメロが自身のユーチューブチャンネルでサウナを使用している映像が公開されていたことで発覚したようだ。

試合直前に減量するためのサウナ使用に関して厳格なルールを採用している同管理委員会がロバート・W・スミス事務総長の署名で「これは医療ガイドラインに違反しているため、金曜日の世界戦に彼が参加することを許可できない」とWBOに対して書面で通達。また英国到着後、カシメロが2度の体重チェックを通じて3日間で10ポンド(約4・53キロ)という過度な減量をしていた事実も追記されていた。

WBOは即時の剥奪をせず、48時間の猶予を与えてカシメロ陣営に「原因を示す」よう厳命しているという。WBO選手権委員会のルイス・バティスタサラス委員長は「カシメロは19年11月30日のタイトル獲得以来、指名試合を果たしていない。義務を果たさずに2年4カ月が経過したため、カシメロはWBO規則に明らかに違反している」と厳しい見解を示した。

WBAスーパー、IBF世界同級王者井上尚弥(大橋)の対抗王者となるカシメロは昨年12月、UAEでバトラーとの指名試合を予定していたが、計量直前に胃炎で入院し、防衛戦をキャンセル。WBOに要求された現地での診断書などを提出し、王座剥奪を逃れていたが、23日の公式計量に姿を見せない場合、王座剥奪されるとの条件が付けられていた。