5月3日の福岡大会(福岡国際センター)で右目網膜剥離(はくり)手術による欠場から約4カ月ぶりに復帰する天山広吉(38)が、赤と黒を基調としてきた入場コスチュームのデザインを16年ぶりに白に変え「スーパーベビーフェース」に転身する。27日、都内の道場で練習後、「潔白の白。新たな気持ちで、はい上がりたい」と話した。

 ニックネームの「猛牛」を表す赤と黒を基調にした角のマスクを白に変え、同時にガウンも黒から白にする。93年6月の欧州遠征時から貫いてきた「天山色」を捨てた。昨年、ヒール軍団GBHを追放され、全日本の小島聡とタッグを組んだことがきっかけだった。ヒール時代はブーイングだった会場の反応が声援に変わった。キャリアのほとんどをヒールだった天山は「ファンに恩返しするにはヒールではだめだ」と目覚めたという。

 この日から実戦形式のスパーリングに突入した。都内の眼科で受けた検査でも右目の視力1・0と、手術前と変わらない数値に戻った。福岡大会ではいきなりIWGPタッグ王座挑戦者決定戦として小島と組み、バーナード、アンダーソン組と激突する。「ニュー天山でタイトル戦線に絡んでいきたい」。復帰戦は「スーパーベビーフェース天山」のデビュー戦になる。【塩谷正人】