巨人原辰徳監督(50)が、13日に急死したプロレスラー、三沢光晴さんへの思いを語った。全日本プロレス時代から三沢さんの大ファンで、テレビ観戦はもちろん時間が許せば会場に足を運び応援。東京ドームと後楽園ホールが隣接しているため、三沢さんが時間をみつけ球場に足を運び激励するなど親交があった。

 原監督が貴重な時間を割き野球以外を語るのは極めて異例のことだ。練習前、「立ち話で済ませるものではない」と報道陣をロッカールームへ呼び寄せた。

 原監督

 どういう状況だったか、説明してくれるかな。こういう形になり悲しい。どう表現していいか分からない。今でも信じられない。ご冥福をお祈りします。

 磨き上げた技術を正々堂々ぶつけ合い、勝つ。三沢さんの王道スタイルにひかれた。「同世代の男として、尊敬できる」と原監督。大きな試合の前「胸と胸を思い切り突き合わせ、堂々と戦いたい」という言葉を好んで使うように、自身の野球観にも自然と重なっていた。ベストバウトは「ノア立ち上げ間もないころの、高山(善広)選手との対戦。大きな相手に立ち向かう、厳しい戦いを覚えています」と即答した。

 約10分間、一言一言ずつ言葉をかみしめながら思いを明かした。「寡黙な方だったけど、たまにグラウンドで話せば、言葉で通じなくとも通じる。そんな方だった。野球とプロレス。ジャンルは違うが、まとめる、自分以外のことを考えるという意味では同じ部分もあった」と心の友をしのんだ。【宮下敬至】