<激突!!金の魂(4)>

 「Dynamite!!」主催のFEG・谷川貞治イベントプロデューサー(EP=48)は、DREAMと戦極の合同開催に奔走した理由を「このカード(石井-吉田)が他のリングでやられるのは脅威というのが一番にあった」と、明かした。石井-吉田戦は戦極サイドが長い時間をかけて対戦交渉し、発表にこぎ着けたカード。谷川EPは「実現した格闘技界のカードの中で注目度は上位。これを地上波で放送しないことは、日本の格闘技界の大きな損失になると思った。それで戦極サイドにアプローチにいった」と話した。

 02年8月の吉田デビュー戦(対ホイス・グレイシー)実現にも携わった谷川EPは、吉田の柔道の全日本選手権後、わずか4カ月でのプロデビューを「反響は大きかった。一般紙の1面も飾った」と振り返った。一方、プロ転向表明から1年かかった石井について「昨年デビューなら熱はあったが、それだけまじめに格闘技に取り組んだということ」と、理解を示した。

 大相撲の横綱から格闘家に転向した曙をボブ・サップと対戦させるなど、数々の目玉カードを手掛けた谷川EP。「柔道をやり尽くして転向した吉田選手に対し、石井選手はロンドン五輪も狙える素材のまま出てきた。このカードは石井(の実力)ってどんなもんなんだろう、という点に尽きる」とみている。【塩谷正人】(おわり)