元WBC世界フライ級王者内藤大助(36=宮田)の後継者が、敵地で「内藤超え」を明言した。7月1日、タイ・ハジャイでフライ級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(33=タイ)に挑む、同スーパーフライ級9位粉川拓也(26=宮田)が22日、都内の宮田ジムで最終調整に入った。「タイで勝ったらすごいこと。やってみたい」と強気の姿勢を示した。

 初の世界戦がポンサクレック戦で会場もタイと、尊敬する先輩・内藤と全く同じ。その内藤は02年4月、1回34秒KOという世界戦最短記録で負けた。そもそも日本人(男子)がタイで世界王座を奪取したこともないが、粉川は「タイで勝ち名乗りを受けて手を上げることをイメージしています。内容は秘密ですが、内藤さんからアドバイスも受けました」と、日本人でただ1人、ポンサクレックから白星を挙げた先輩から秘策も伝授されている。宮田博行会長(44)も「粉川は内藤よりもスタミナもあり、速いコンビネーションもある。内藤以上のものが出せる」と期待を寄せていた。【藤中栄二】

 ◆粉川拓也(こがわ・たくや)1985年(昭60)4月5日、東京・墨田区生まれ。18歳で宮田ジムへ入門し、本格的にボクシングを始める。05年6月、斎藤慶尚戦で4回判定勝ちしプロデビュー。昨年10月に東洋太平洋スーパーフライ級王座決定戦で同王座を獲得。家族は昨年9月に結婚した桃子夫人(21)と1男。165センチの右ボクサーファイター。