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 MAX:70キロ級日本トーナメント>◇25日◇大阪府立体育会館

 名城裕司(28=国士会館)が初優勝を飾った。初戦で初代王者アルバート・クラウス(31)を下して勢いに乗り、決勝で09年世界4強の山本優弥(27)に1回3分、パンチの連打でKO勝ち。プロボクシング元WBA世界スーパーフライ級王者の兄信男から受けた打撃指導が生きた。世界トーナメントは12月初旬に東南アジアで開催予定。競技は違うが、兄弟での世界王者へ夢が広がった。

 悲願達成への思いを拳に込めた。名城は決勝開始早々に左右のパンチでダウンを奪うと、立ち上がった山本をコーナーへ追い込んで一気に勝負を決めた。代役出場で、優勝した長島に1回戦で秒殺KO敗退した昨年大会の無念を晴らし「あれから試合を重ねてきたし、本当にうれしい」と両腕を突き上げて喜んだ。

 初戦でクラウスを倒す大金星を挙げた。決勝直前には応援に駆けつけた兄信男から「ここで負けたらお前は持ってない」というゲキを受けて燃えた。「兄のパンチを顔にもらったこともあった」という打撃指導の恩を返せた。世界トーナメントはWORLD

 GPに続いて海外に転出予定で、シンガポールなど複数の候補地が挙がっている。「世界に通用する選手になりたい」。異種目での兄弟世界王者へ夢が広がった。【山下健二郎】