WBC世界スーパーフライ級王者の佐藤洋太(28=協栄)が7月8日の同級1位シルベスター・ロペス(24=フィリピン)との初防衛戦(横浜文化体育館)に勝てば、10月にも故郷岩手で2度目の防衛戦を行うことが28日、分かった。東北での世界戦となれば、12年ぶり18回目。岩手県での開催なら史上初となる。

 佐藤は5月に母校の盛岡南高に凱旋(がいせん)した。同行した協栄ジムの金平桂一郎会長(46)は地元の歓迎と佐藤の人気に感激。「恩返しのためにも、必ず東北での世界戦を実現する」と心に誓った。第1候補はもちろん盛岡で、仙台、福島も候補になる。

 対戦相手はWBA同級王者テーパリット・ゴーキャットジム(タイ)、金平会長が初防衛戦後にオファーを出すと明言したWBC同級5位の亀田大毅(亀田)、さらに同6位の赤穂亮(横浜光)らが有力。金平会長は「井岡対八重樫戦のような盛り上がる試合、そしてファンの望むカードを実現したい」と話した。

 佐藤も「盛岡で試合ができればうれしい」。続けて「まずは初防衛戦に勝たないといけないですね」と気を引き締めた。

 ◆東北での世界戦

 過去17回あるが、00年4月に青森・八戸体育館で行われたWBA世界ミニマム級王者ガンボア-佐井敦史戦が最後。岩手県では開催がない。協栄ジムは東北との相性は良く、81年12月、渡嘉敷勝男が宮城県スポーツセンターでWBA世界ライトフライ級王座を奪取。95年11月にはWBA世界ライトフライ級王者だったナザロフがいわき市総合体育館で4度目の防衛に成功した。