今日6日のダブル世界戦の調印式と計量が、5日に試合会場の大田区総合体育館で行われた。WBA世界スーパーフライ級王者・河野公平(32=ワタナベ)は、暫定王者リボリオ・ソリス(31=ベネズエラ)からの挑発を受け流した。

 突然ソリスがいすから立ち上がり、河野を指さして言い放った。「コウノにパンチを見舞って、タイトルを持って帰る!」。調印式後、4選手へのインタビューの時だった。河野は「何を言ってるのか分からない」と首をかしげる。それを伝え聞いたソリスが「月曜日に分かる」。興奮気味の相手に対し、河野は苦笑いしながら受け流した。

 王者になった余裕から、冷静に相手を分析もしてみせた。「気が荒いのでチャンス。早い回に何かあるかも」とニヤリ。ソリスはアマで180勝9敗と基本は足を使う。河野は前半しつこく攻めて疲れさせて足を止め、後半勝負の作戦。相手が出てくれば「ガツガツ打ち合いたい」と願ってもない展開になる。

 トランクスは金色のものを特注した。後援者がプレゼントしてくれた。3度目の世界挑戦で王座を奪取した一戦では黒。実は市販のトランクスだった。「世界王者になったことでいろんな人が応援してくれる。勝てばまた世界が広がる」。相手ともリミットの52・1キロで計量を終え、あとはリングに立って期待に応えたい。「何が何でもベルトを守りたい」と、強い決意を口にした。【河合香】