日本ボクシングコミッション(JBC)がIBF・WBA世界スーパーフライ級王者統一戦(3日)をプロモートした亀田ジムに対して処分を下す可能性が出てきた。9日、都内で倫理委員会を開き、IBF立会人がWBA王者だったリボリオ・ソリス(31=ベネズエラ)の計量失敗後に「大毅が負けたらIBF王座は空位」とした説明を覆し、試合後に「IBF王者は大毅」とした一連の騒動について中間報告を出した。

 同委員会では、ジム側が「(2日の)ルールミーティングで通訳を通じて(IBF王座移動なしと)口頭で説明を受けた。夜も最終確認した」との説明を問題視。JBCは「一連の騒動の中で明らかに不誠実な対応、虚偽の事実を並べて事実を歪曲(わいきょく)しようとする人物がいる」と、亀田ジム関係者の聴聞を行う方針を示した。

 JBCは今年9月のIBF世界同級王座決定戦で、計量時間変更を通知しなかったとして亀田ジム関係者2人に厳重注意したばかり。今回の騒動も重なったため「状況次第では前例をみないような処分を科すことも考える」としたが、一方で「処分を科す場合、また処分しない場合も発表する」と事実確認が終わっていないことも強調した。

 ◆大毅-ソリス戦騒動

 2日の前日計量でソリスが計量失敗しWBA王座を剥奪。ルールミーティング後の会見でJBC森田事務局長と同席で、IBF立会人タッカー氏が「大毅が勝てば王座統一、大毅が負ければIBF王座は空位」と説明。3日の統一戦で大毅は手数で圧倒され、1-2で判定負け。しかし試合後にタッカー氏が「ソリスが計量ミスした時点で勝敗に関係なく、IBF王者は大毅」と発表し「(空位だと)言っていたとしたら間違い」と弁明し、森田事務局長はIBFの主張に「聞いていない。負ければ王者ではないと昨日は聞いている」と説明。一夜明けた4日、亀田ジム側はIBFから事前説明があった、と発言した。