<IGF・GENOME30>◇13日◇福岡国際センター◇観衆4889人

 故橋本真也氏の長男大地(22)が、IGF移籍初戦で屈辱にまみれた。格闘家で元IGFチャンピオンシップ王者藤田和之(43)と対戦。気合の先制攻撃も実らず、2分22秒、パワーボムからのエビ固めでマットに沈められた。プロレス界期待の星にとっては厳しい再デビュー戦となった。

 橋本大地がIGFデビュー戦で、厳しい現実を突きつけられた。父の入場曲「爆勝宣言」で入場。パンチやハイキックで藤田の顔面へ先制攻撃を仕掛けた。だが、逆に怒りに火を付け、反撃された。コーナーに追い詰められボコボコにされ、「起きろ、このヤロー」と怒号を浴びた。

 最後はパワーボムで背中からたたきつけられ、マットで大の字に伸びた。試合後に後頭部を氷で冷やしながら、大地は「(藤田は)まだまだ遠い。(パワーボムを)返せない自分が悪い。もっと力をつけないと」とうなだれた。過去の実績を含め、2人の実力差は想像以上だった。

 藤田は「俺は認めない。あいつの気持ちが伝わってこない」と吐き捨てるように言い、控室に消えた。IGFスペシャルタッグマッチに出場した小川も「藤田とは厳しいだろう。俺らとも厳しいけど。プロとしてまだ甘い」と手厳しい。

 6月、父の墓前に誓った勝利は届けられなかった。ゼロワンを3月末で退団した大地は、気合十分だったとはいえ、新天地デビュー戦でいきなり試練を味わった。【菊川光一】