ボクシングのWBA世界スーパーフェザー級王者内山高志(34=ワタナベ)が、12月31日に東京・大田区総合体育館で同級9位イスラエル・ペレス(35=アルゼンチン)と9度目の防衛戦を行うことが16日、発表された。同スーパーフライ級王者河野公平の初防衛戦、同ライトフライ級王座に挑戦する田口良一の試合と合わせ、トリプル世界戦となる。内山が昨年大みそか以来のリングで、14年を豪快に締めくくる。

 待ちに待ったV9戦の発表会見。内山の目は戦いに飢えていた。V8戦で古傷の右拳を負傷したことに加え、9月に決まりかけた同級1位バスケス戦は、相手陣営の都合で流れた。プロ初の1年のブランクに「早く戦いたい。世間から忘れられたころなので、『やはり内山はすごい』と思わせたい。たまった分を爆発させます」と力を込めた。

 13度防衛の具志堅の日本記録も視界に入ってきたが、見つめる先は「スーパーフェザー級最強」の証明だ。9月に、拓大時代の後輩で前WBC世界フライ級王者の八重樫がローマン・ゴンサレスと繰り広げた激闘を会場で観戦した。「さらに思いが強くなった」と、来年中の他団体王者との統一戦にも強い意欲を示した。

 ビッグマッチ実現のためにも、まずはペレス戦に集中する。リングから離れた1年で、下半身のフィジカル強化に着手。11年1月の三浦戦以降痛みがあったという拳も癒え、「右ストレートが打ち抜けるようになった。パワーアップを実感している」と言い切った。充電は完了。多くの選手をマットに沈めてきた右拳が、4年連続となる大みそかの夜にうなりを上げる。【奥山将志】