WBA世界フライ級2位の亀田興毅(亀田)が、「来年結婚」を宣言した。22歳の誕生日を迎えた17日、来年中に予定される世界王座挑戦で2階級制覇実現を条件に、大阪・天下茶屋中学時代の同級生Aさん(22)と結婚する考えを明かした。中学2年から交際をスタートして8年。人気絶頂期も、世間の批判を浴び続けた苦難の時期も、身の回りの世話を含めて、ずっとAさんに支えてもらった。彼女に恩返しするために、2階級制覇後にけじめをつける決意を固めた。

 彼女のため、そして自らを鼓舞するために、22歳になった亀田が重大決意を固めた。

 亀田

 (交際中のAさんとは)ずっと一緒におるから、結婚しているようなもんやけど、来年2階級制覇を実現したら、正式に結婚したいな。

 Aさんとは大阪・天下茶屋中2年だった00年5月に知り合った。意気投合し、交際をスタート。03年12月のプロデビュー後の人気絶頂期も付き合いは続いていた。Aさんは歌手浜崎あゆみ似の美人で、協栄ジムに移籍した3年前からは、亀田一家とともにAさんも大阪から上京。家族を陰で支えていた。

 06年8月、WBA世界ライトフライ級王座を獲得したランダエタ戦での微妙な判定が、世間の論議を呼んだ。昨年10月のWBC世界フライ級王座戦では、大毅が王者内藤に反則行為を犯し、反則指示疑惑が浮上した亀田自身も日本ボクシングコミッション(JBC)から処分を受けた。日本中から批判を浴びた。そんな時もAさんは側面から支えてくれた。現在も食事、洗濯など家事全般を手伝ってもらっている。7月のメキシコでの海外デビュー戦も帯同し、身の回りの世話をしてもらった。

 亀田

 昼飯は毎日、つくってもらっている。(食事は)和洋中何でもうまい。試合前はマッサージもしてくれる。何でもやってくれるから、オレは助かるし、ボクシングに集中できる。

 来年の結婚宣言は、Aさんに対してけじめをつける意味が大きい。それを実現するために、自分にも「2階級制覇」という条件に課した。年末に予定していたWBC世界フライ級王者内藤大助(宮田)戦は交渉が決裂して消滅した。次戦は白紙状態だが、結婚するために集中力を切らすことはない。

 ターゲットの世界フライ級戦線は年末に動く。WBC王者の内藤は12月23日に同級15位の山口真吾(渡嘉敷)と防衛戦を予定。WBA王者坂田健史(協栄)は同級1位デンカオセーン(タイ)と大みそかに広島で再戦する。亀田は来春にも両試合の勝者への挑戦を目指す。

 亀田

 ボクシング人生は1回しかない。悔いを残さないように、今しかできないことをやるだけや。

 2階級制覇、そして結婚へ、22歳の亀田の戦いが始まった。【田口潤】