日本人初の3階級制覇を達成したWBA世界バンタム級王者亀田興毅(24=亀田)が、3階級制覇王者でWBC・WBO世界同級王者ノニト・ドネア(28=フィリピン)との3団体統一戦に強い意欲を示した。弟で前WBA世界フライ級王者の亀田大毅(22=亀田)と21日に沖縄で合宿を開始。19日(日本時間20日)にモンティエルに勝利したドネア陣営と交渉ルートがあることを明かし、年内中に3団体のベルトを懸けたビッグマッチ開催に向けて動くことを明言した。

 気温20度以上となった沖縄・那覇市の暖かさに後押しされるように興毅が切り出した。モンティエルを2回TKOで倒したWBC・WBO新王者ドネアが「統一戦をしたい」と発言したことを受け、興毅は不敵な笑みを浮かべながら反応。夢の3団体統一戦となるドネア戦実現を熱望した。

 興毅

 オレも3階級制覇したし、今度は歴史に名を刻む大きい試合、記憶に残る試合がしたい。それがドネアやったら最高やな。この試合を日本で実現できたらすごい。次の試合の後、年末にやるのが理想やな。

 既にドネア陣営と交渉できるルートを確保しているという。興毅がムニョスを下した昨年12月26日のWBA世界バンタム級王座決定戦の会場にも、視察するドネア本人の姿があっただけに現実味がある。ネックは2団体統一王者のファイトマネー次第となりそうだ。亀田プロモーション社長でもある興毅は「ドネアにファイトマネーをいくら出せるか。スポンサーも必要やけど、ドネア陣営と直接話せる。向こうもやりたいと言ってる。こっちもやりたい。これは実現するよ」と口調に力を込めた。

 米国リングで25連勝中のドネアとの激突は、リスクあるカードとなる。それを承知で「ボクシング人生は1度しかない。オレは無敗やないし、世界が注目する舞台でやりたい。多分、賭けなら0対10やと思うけど、そこで何かを起こすのが亀田やから」と、那覇に広がった青空に誓っていた。【藤中栄二】