佐渡ケ嶽親方(47=元関脇琴ノ若)の長男で、埼玉栄高相撲部の鎌谷将且(17=3年)が6日、さいたま市内の同高で角界入りの記者会見に臨んだ。父が師匠を務める佐渡ケ嶽部屋に入門し、28日の大相撲九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)の新弟子検査を受検する。

 母方の祖父に53代横綱琴桜(故鎌谷紀雄氏)の先代佐渡ケ嶽親方を持つサラブレッド。当初は埼玉栄中卒業後に角界入りの予定を、力不足という本人の意向で延ばした。高校で力をつけ今夏の高校総体は主将で団体優勝に導き、世界ジュニア選手権は重量級で優勝。伯父を横綱、父を大関に持った、若貴兄弟さながらの「良血の相撲一家」となるが「他の弟子と一緒に厳しく指導する」(親方)、「自分は自分。切り替わっている」と親子から師弟へ一線を画す覚悟は出来ている。得意は187センチ、150キロの体を生かした右四つだ。

 最後の相撲となった05年九州場所13日目の一番を観戦させ、帰りの車中で「琴ノ若を継いでくれよ」とささやいて10年。「早く関取になってほしい」と話す師匠は、番付を上げて「琴ノ若」「琴桜」と改名する夢の日を思い描いている。【渡辺佳彦】