小結嘉風(33=尾車)が再び、台風の目となりそうだ。

 激しい突き押しで横綱鶴竜(30=井筒)にまわしを許さず、相手の引きに乗じて一気に前へ。最後は右を渡し込んで、土俵外へと吹っ飛ばした。「自分の最高の形になった。よく動いてくれました。(勝った後)あっ、ここは座布団が飛ばないんだなと、そこは冷静でした」と満足感に浸った。

 秋場所では、2横綱2大関2関脇を倒した。その勢いが少しも衰えていない。取組前は「勝ちたい気持ちが強かった」と、肩に力が入っていた。それを自覚できる冷静さを、今場所も持っていた。瞬時に心を切り替え、無心で挑む。「『ハッキヨイ残った』の前のモチベーションが、かなり良かった。不安要素がゼロでした。これを出すと、相撲が終わった後に楽しみが待っている」と満足げだった。

 これで横綱戦は4連勝。「今がピークですよ。明日もピークですけどね」。大分県出身。ご当地場所で暴れる気配が、存分に漂っている。