大横綱が奇襲戦法で、ただ1人の全勝を守った。自身の記録を更新する史上最多36度目の優勝を目指す横綱白鵬(30=宮城野)が、関脇栃煌山(28=春日野)と対戦。立ち合い、両手を相手の顔の前でパチンとたたく奇襲、猫だましで相手の突進をかわし、再び向き合うと2度目の猫だまし。右四つに食い止め、万全の寄りで10連勝とした。

 1敗で追う4力士のうち、横綱日馬富士(31=伊勢ケ浜)は大関琴奨菊(31=佐渡ケ嶽)を上手出し投げで下し、9勝目をマーク。琴奨菊は3敗に後退した。だが1敗の残る3人は、そろって黒星。大関稀勢の里(29=田子ノ浦)は平幕の豊ノ島(32=時津風)に押し出され、平幕の松鳳山(31=二所ノ関)は勢(29=伊勢ノ海)に、高安(25=田子ノ浦)も旭秀鵬(27=友綱)に敗れ2敗に後退した。

 先場所優勝の横綱鶴竜(30=井筒)は、大関豪栄道(29=境川)に速攻相撲で敗れ4敗目。豪栄道は6勝目を挙げ、かど番脱出にあと2勝とした。3連敗中だった大関照ノ富士(23=伊勢ケ浜)は関脇妙義龍(29=境川)を破り、星を5勝5敗の五分に戻した。妙義龍は負け越しが決まった。

 10日目を終え、全勝の白鵬を、1敗で日馬富士が追い、2敗は稀勢の里、松鳳山、高安の3人。白鵬は11日目、稀勢の里と対戦する。