白鵬が「角界の父」へ勝利をささげた。魁聖を上手投げで転がし全勝をキープ。この日は、3年前に亡くなった元横綱大鵬の故・納谷幸喜さん(享年72)の命日。「本来の自分の相撲が取れて良かった」と、ホッとひと息ついた。

 朝から特別な思いで迎えていた。稽古前、都内の納谷さんの墓を訪れ、手を合わせた。亡くなって3年の月日が流れた。「あっという間ですね」とつぶやくと「自分なりに土俵をまっとうしていると思うし、30歳になってね。人生と世間を少しずつ経験してる。そんな気がします。温かく、上(天国)から見守ってもらえれば、という感じですね」と、しみじみ話した。

 横綱での2桁勝利も50場所目で北の湖を抜いて単独1位になった。今日11日目は、琴奨菊との全勝対決。「緊張せずに、無心で臨みたい」。大鵬を超えた35度優勝を誇る横綱の力を、存分に見せつける。