奇(く)しき因縁の夢対決を前に豊ノ島が感慨にふける。「お互い関取になれればいいね、と言い合った。その入門の時から考えると夢のようだ」。2敗をキープしたまま今日13日目は、02年初場所初土俵の同期生で、中学時代からしのぎを削ってきた全勝の琴奨菊と当たる。この日の蒼国来戦の前に、それを知って「意識して緊張した。それを切り替えて」臨んだ一番は、速攻の寄りで白星。あとは盟友との決戦に思いをはせた。

 「自分も狙えるところにいる」と逆転Vには落とせない一番。対戦成績は12勝26敗の相手に「ここまで来たら責任として大関は優勝しなければいけない」と重圧をかけつつ「でもスンナリ優勝されるのも悔しい。なんなら自分が優勝してやる-ぐらいの気持ち」。丸2年ぶりの三役復帰の目標も胸に「ドラマになるかも」と友情物語は封印する。