俳優オダギリジョー(34)が韓国映画「MY

 WAY(仮題)」(カン・ジェギュ監督)で、韓国人気俳優チャン・ドンゴン(38)とダブル主演することが26日、分かった。韓国映画史上最大級の製作費を投じる超大作で、オダギリは脚本を書き換えられるほど熱望されての起用。来年末に日韓同時公開予定だが、製作側は世界配給も視野に入れている。

 日韓トップスターの共演が実現する。ドンゴンはヨン様らとともに君臨する「韓国四天王」で日韓で高い人気を誇るが、オダギリもそれに負けていない。主演作「ゆれる」や「メゾン・ド・ヒミコ」などが韓国公開され、奇才、キム・ギドク監督「悲夢」など韓国映画にも出演。ルックス以上に実力志向の韓国でも高く評価されている。

 そのオダギリを韓国の巨匠が起用した。「シュリ」「ブラザーフッド」などで知られるカン・ジェギュ監督だ。「MY

 WAY(仮題)」は、同監督が脚本を書き下ろした作品で、第2次世界大戦に巻き込まれていく朝鮮人青年と日本人青年の数奇な運命と、敵対感情を超えてはぐくまれる2人の友情を描く。オダギリは名誉回復のため、ドンゴンはマラソンランナーになる夢をかなえるために、それぞれ戦場を選ばざるを得なかった青年を演じる。

 ジェギュ監督は日本人俳優を探した際、「オダギリはメジャーの大作にあまり出ないと聞くが、どうしても会っておきたい」と強く希望したという。対面すると「思った以上にいい俳優だ」と評価し、オダギリ出演を想定した脚本に書き換えた。当初はドンゴンを中心にしたラブストーリーだったが、2人の青年の友情を描く内容に変更した。

 撮影は韓国、中国、欧州など広範囲で行われるため、10月から来年5月までの長期間にわたる。戦争映画にしてヒューマンドラマは壮大なスケールで描かれるため、製作費も膨大。韓国製作関係者は「06年『タイフーン』の170億ウォン(約12億9200万円)が韓国映画史上最高額といわれるが、はるかに上回る」と話しており、300億ウォン(約22億8000万円)近くに上るとみられる。また、ジェギュ監督はハリウッド在住。監督の韓国映画界をけん引してきた輝かしい経歴や米映画界とのパイプなどから、製作側は世界配給を目指している。

 現在、オダギリは乗馬やマラソン、ドイツ語会話など、専門家について特訓している。オダギリは「こういう大作に呼ばれるタイプの俳優ではないと思いますが、必要としていただいたことに対し、誠意を持って作品に向き合いたいと思っています」と話している。