新作映画「ザ・タウン」(5日公開)で監督、脚本、主演を務めた米俳優ベン・アフレック(38)がこのほど、日刊スポーツの取材に応じた。米ボストンを舞台に、強盗犯が人質の女性と恋に落ちる物語を描き、自らは銀行強盗のリーダーを演じた。

 「脚本、監督、俳優業はそれぞれ異なるが、実は1つにつながっている。脚本で作り出したキャラクターを自分で演じる。監督は、広い視野を持ってそれらを1つにまとめていく。すべてを自分でコントロールできるところが魅力的」。

 07年「ゴーン・ベイビー・ゴーン」で映画監督デビュー。少女誘拐事件の捜査を通して、人間の正義を問うサスペンスで、初監督とは思えない重厚な演出を披露。新人監督賞を受賞し、高い評価を得た。今回が監督2作目。同じく俳優兼監督のクリント・イーストウッド(80)の後継者として期待されている。

 「クリントは素晴らしい作品をたくさん作っている雲の上の人。恐縮してしまう。恥ずかしい。いろんな監督と仕事をして、たくさんのことを学び、技法を盗んできた。役者をしながら、最高の映画学校に通っているようなもの」。

 派手な演出を好まず物語を丹念に描くという点は共通している。今作も単なる犯罪映画では終わらない。

 「アクション、ドラマ、ロマンスと盛りだくさん。日本のファンの方にもぜひ見てほしい。これからも監督、脚本、俳優の3役を続けたいね」。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)