ハリソン・フォードが操縦する小型飛行機がサンタモニカ空港を離陸直後にエンジントラブルを起こし、近隣のゴルフ場に墜落する事故を起こしたことは、日本でも大々的に報じられたと思います。フォードは無類の飛行機好きとして知られ、事故を起こした第2次世界大戦時の戦闘用訓練機の他にも複数の小型機やヘリコプターを所有し、過去には自ら操縦するヘリで遭難者を救助したこともあります。若い頃から「いつか空を飛びたい」と言う夢を持ち、大学生の時に操縦訓練を受けたこともあったようですが、金銭的な理由から断念。その後、俳優として大成功したことでようやくその夢をかなえることができ、約20年前に念願の操縦免許を取得しました。

 今回の事故では、エンジン出力が低下してすぐに空港にUターンして引き返そうとしましたが間に合わず、隣接するゴルフ場に墜落。ゴルフ場は閑静な住宅地にあるため、一歩間違えると大惨事になりかねない状態でしたが、民家を避けてフェアウェイに飛行機を着陸させたことについて、専門家は高い操縦技術があったからこそできたとたたえています。木に接触させて衝撃を和らげてから墜落したことが命を助けたとも言われており、あらためてフォードの操縦技術の高さが話題になりました。

 実はハリウッドには、フォード以外にも操縦免許を持つ飛行機好きがたくさんいて、自らが所有する自家用機を乗り回すスターも少なくありません。中でも“超”がつく航空マニアとして知られているのが、ジョン・トラボルタ。1974年に初めての操縦資格を取得し、現在では小型機だけでなく、ボーイング747などの大型旅客機の操縦資格まで持っています。フロリダ州の自宅には飛行機の滑走路があり、ジェットや小型機など複数の飛行機を所有。撮影現場まで自家用機通勤することもあると言います。カンタス航空の親善大使を務め、自ら操縦するジェット機で世界中を回ったこともある筋金入り。

 「トップガン」で米軍の戦闘機パイロットを演じたトム・クルーズも、飛行機マニアで有名。1994年に操縦免許を取得し、フォードが事故を起こしたサンタモニカ空港に所有するビジネスジェット機ガルフストリームを常駐させていることで知られています。クリント・イーストウッドは30年以上前にヘリコプターの免許を取得。84歳になった現在でも自らヘリコプターを操縦して移動しているそう。

 アンジェリーナ・ジョリーは2004年に操縦免許を取得し、単発機シーラスSR22を操縦する姿がたびたび目撃されています。飛行機好きの息子のために免許を取得したと言われているジョリーですが、夫ブラッド・ピットから婚約中に「多忙でも頻繁に会えるように」と自家用機を贈られたと言われています。他にも、モーガン・フリーマン、スーパーモデルのジゼル・ブンチェンら以外にもたくさんのセレブが、飛行機の操縦を日常的に楽しんでいます。

 過去にもヘリコプターと飛行機でそれぞれ事故を起こしたことのあるフォードですが、その後も操縦を続けてきただけに、きっと今回も再び操縦かんを握れるまでに完全回復することでしょう。

(このコラムの更新は毎週火曜日です)