米人気女優のアンジェリーナ・ジョリー(39)は24日付のニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し、先週、卵巣と卵管の摘出手術を受けたことを明らかにした。

 母親をがんで亡くし自身の遺伝子変異も見つかっていたことから、予防措置として決めたという。

 ジョリーは2013年、遺伝子検査で乳がんのリスクを高める変異が見つかり、発症の確率が推計87%と告げられたため、両乳房の切除・再建手術を受けた。今回の手術と合わせ、遺伝子医療をめぐる論議に新たな一石を投じそうだ。

 ジョリーは13年当時、卵巣がんになる確率も同50%と医師から説明された。最近の検査で大きな異常は見つからなかったが、体内における炎症の度合いを示す数値が上昇。母親が49歳の時に卵巣がんと診断されたこともあり、将来のリスクを考慮して卵巣摘出に踏み切った。

 手術自体は乳房切除より簡単だが、卵巣摘出により更年期症状が出るため「影響はより厳しい」という。摘出した卵巣の1つに腫瘍が見つかったが、組織検査の結果、がんの兆候はなく良性だったという。

 ジョリーは同じような境遇の女性たちに対し、遺伝子変異があるからといって「直ちに手術が必要というわけではない」とし、投薬などさまざまな選択肢があると指摘。「自分にとって何が最適かを選ぶことが一番大切」と訴えた。

 卵巣摘出によって「もう子どもを産むことはできない」が、「子どもたちが『ママは卵巣がんで死んだ』と言うことは決してない」と表明。手術を決断するに当たり、夫で俳優のブラッド・ピット(51)が力になったことにも触れた。(共同)