女優中野良子(65)が26日、TOHOシネマズ新宿で行われた高倉健さん(享年83)の追悼特集上映イベント「高倉健と生きた時代」の舞台あいさつに登壇した。

 76年「君よ憤怒の河を渉れ」や78年「野性の証明」で高倉さんと共演した。特に「君よ憤怒の河を渉れ」は78年、文化大革命後に海外の映画として中国で初公開され、8億人の人が見たと言われている。

 中野は「撮影を待っている中、100人くらいの人が動いているので驚くような、困ったこともあった。でも何が起こっても、克服し、もう1歩、きちんとした状態に高めようとしているのが、10メートル先からでも分かった」と高倉さんについて語った。「高倉さんは芸能界を生きていくのに、つらかったんじゃないか? 自分の心の中で1歩引くことで、作品が終われると我慢していたのでは」と言って涙をこぼした。

 87年に結婚したことを報告すると、高倉さんは朝7時から、両手に抱えきれないほどの真っ赤なバラを届けてくれたという。「すごいなと思った」とあらためて感謝していた。