社会主義国キューバの首都ハバナで25日、英国の伝説的ロックバンド「ローリング・ストーンズ」が初のコンサートを行った。

 スポーツ複合施設での屋外公演で入場は無料。キューバメディアは、観客が約50万人に上ると推計。

 リードボーカルのミック・ジャガーがステージに現れ「オラ(こんにちは)、ハバナ」とスペイン語であいさつ。人気曲「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」などをエネルギッシュに演奏し、会場は大歓声と熱気に包まれた。

 ハバナのクラリネット奏者ソランチ・ゲラ(20)は「これは本当に世紀のコンサートよ。キューバが文化的にも政治的にも外に向かって開いたことを示している」と感動した様子。ハバナに住むロシア人で観光業のエレナ・コノニエンコさん(57)は「ストーンズは青春時代そのもの。キューバでコンサートを見られる日が来るとは思わなかった」と話した。

 1959年の革命以来米国と対立してきたキューバでは、英語のロックは思想的に米国寄りとみなされた時期もあり、これほど有名な欧米のロックグループのコンサートが開かれるのは異例。

 米国とキューバは昨年7月、約半世紀ぶりに国交を回復し、オバマ米大統領が今月20~22日に歴史的訪問を果たしたばかり。両国の関係改善が今回のコンサート実現につながったとされる。

 ストーンズは2月上旬から中南米のツアーでチリやブラジル、メキシコを回り、キューバが最終公演地となる。