女優有村架純(23)が17年度前期のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」(来年4月3日スタート、月~土曜午前8時)のヒロインに決定し29日、都内で行われた発表会見に出席した。「新しい風を吹かせたい」と意欲を示した。ヒロイン決定を聞いた時は「びっくりしてしばらく言葉が出なかった」というが、今は「早く演じたいという前向きな気持ち」と笑顔で話した。

 同局朝ドラには、ヒロインの母の少女期を演じた13年度前期「あまちゃん」以来2度目の出演。3年前を振り返り「あの時とは180度違う気持ち。あの時はヒロインという立場ではなく、感じるものが違う」と緊張の面持ち。制作統括の菓子浩氏から「NHKの顔になっていただきます」と声を掛けられたとし、「いい意味のプレッシャーと緊張感。その言葉を感じるとあの時とは、はるかに違う所にいると感じる」と初ヒロインの心境を話した。

 最近朝ドラは高視聴率続きだ。「とってもいいリレーができていて、皆さんきちんとバトンを力強く受け取っている。私が落としちゃったり、握る力が弱くて飛んじゃうことがないように何とかついていけたら」。脚本は岡田恵和氏のオリジナルで東京五輪開催の1964年から始まる物語。集団就職で茨城から上京したヒロインが自らの殻を破り成長していく姿を描く。

 オーディションではなく、キャスティングの形で選ばれた。制作統括の菓子氏は「力強く、いろんな顔を演じていただける方」と起用理由を説明。舞台が茨城県になったことで橋本昌県知事(70)は「非常に喜ばしい限り」との談話を発表した。【中野由喜】

 ◆有村架純(ありむら・かすみ)1993年(平5)2月13日、兵庫県生まれ。10年テレビ朝日系「ハガネの女」で女優デビュー。11年「阪急電車 片道15分の奇跡」で映画デビュー。13年「リトル・マエストラ」で映画初主演。アニメ映画「思い出のマーニー」で声優初挑戦。14年「ジャンヌ・ダルク」で初舞台。160センチ。血液型B。

 ▼「ひよっこ」 東京五輪が開催された1964年から物語がスタート。主人公の谷田部みね子が、高校卒業後、行方不明になった父を捜すため、茨城県から集団就職で上京。町工場で働きながら、仲間に支えられ、さまざまな困難にも立ち向かい、自分の殻を破って成長する姿を描く団塊世代青春期。有村は高校生から28歳くらいまでを演じる。