演歌歌手市川由紀乃(40)は念願だった紅白初出場を決めた。

 「6歳で演歌の魅力に取りつかました。多くの人の支えがあって、紅白をつかむことができた。夢は諦めなければ、つかむことができるんですね」。

 この日午前、所属するキングレコードで出場を知った際には号泣したという。「この年になって、声を出して泣くなんて…。最初は驚いて言葉が出なかったのですが、その後でうれしくて」と、やはり涙声で説明した。

 市川には、生まれつき脳性まひの障がいがある7歳違いの兄がいた。08年に39歳で亡くなるまで、だれよりも妹の歌を応援してくれていた。「できるだけ早く、母と一緒に兄のお墓に報告に行きたいです。すごく喜んでくれると思います」。

 今月上旬、京都・伏見稲荷大社を訪れた。同大社は、41年前に母栄子さん(72)が娘の誕生を願って訪れた思い出の地だ。今度は自分の紅白初出場祈願をした。当時、「この大社のおかげで私の命が咲きました。今度は歌手としての大きな命を咲かせたい」と語っていたがその願いがかなった。「来年には母と2人でお礼に大社を訪れます」。最後は笑顔で話していた。