映画「スター・ウォーズ」シリーズのレイア姫役で知られる米女優キャリー・フィッシャーさんが27日、ロサンゼルス市内の病院で死去した。60歳だった。23日に、ロンドンからロサンゼルスに向かう旅客機内で体調を崩して救急搬送され、入院していた。詳しい死因は伝えられていない。

 ニューヨーク・ポスト電子版などによると、フィッシャーさんは同日午前8時55分、女優で母親のデビー・レイノルズ、娘のビリー・ロードら家族にみとられ、息を引き取ったという。ビリーは「世界中に愛されていた彼女は、この上なく惜しまれることでしょう。家族全員が、みなさんの祈りに感謝します」との声明を発表した。

 ハリウッド生まれ。1977年開始の「スター・ウォーズ」で主人公の双子の妹レイア姫を演じ、一躍人気女優となった。だがその後、薬物依存や精神疾患に苦しんだ時期も。回復後に当時の体験をベースに執筆した自伝的小説は、90年に「ハリウッドにくちづけ」として映画化されている。

 昨年公開の「フォースの覚醒」では、30年ぶりのレイア姫復活で注目された。米メディアによると、来年12月公開予定の「スター・ウォーズ/エピソード8(仮題)」にもレイア役で出演予定で、既に撮影を終えているという。フィッシャーさんを抜てきしたジョージ・ルーカス監督は「最高に賢く、才能がある女優だった。家族や友人、ファンのみなさんとともに心から祈りたい」と追悼のコメントを寄せた。(ニューヨーク=鹿目直子通信員)

 ◆キャリー・フィッシャー 1956年10月21日生まれ。父は50年代を代表する歌手エディ・フィッシャー、母は映画「雨に唄えば」でスターとなったデビー・レイノルズ。レイア姫役のオーディションでは、ジョディ・フォスターと最後まで争ったとされる。私生活ではサイモン&ガーファンクルのポール・サイモンと83年に結婚したが、1年で離婚。「スター・ウォーズ」撮影中に、ハリソン・フォードと関係を持ったことも自伝で明かしている。