舞台「放浪記」などに出演した女優青木玲子さん(本名・児玉玲子)が13日午前8時30分ごろ、心不全のため神奈川県内の病院で死去した。83歳だった。所属する東宝現代劇が発表した。葬儀は近親者のみで営まれる。喪主は夫の俳優児玉利和氏。

 青木さんは、入院中だったが前日まで元気で、看護師には「(好物の)お寿司が食べたい」とにこやかに会話していたという。

 57年に東宝現代劇の1期生として、舞台「モデルの部屋」で初舞台を踏んだ。名脇役として活躍し、12年に死去した森光子さん(享年92)のライフワークでもあった舞台「放浪記」では行商人の妻、作家仲間を演じた。61年の初演から09年まで、森が出演した全2017回すべてに共演した、唯一の出演者となった。同舞台の2000回出演の際には、森から紹介を受け、花束を贈られていた。一昨年11月には、仲間由紀恵に主演が引き継がれた同舞台に駆けつけ、仲間に花束を手渡した。