文化放送は13日、17年春の改編として、声優の阿澄佳奈を起用した日曜昼に2時間の生ワイド番組「A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち!」(日曜午前11時)を、4月9日からスタートすると発表した。1952年(昭27)の開局の同局が、日曜の昼間に2時間のアニメ&ゲーム専門の生放送番組を編成するのは史上初めて。

 日曜昼帯は、民放各局が人気パーソナリティーを起用した生ワイド番組を編成する激戦区だ。ちょうど裏番組として、TBSラジオでは「安住紳一郎の日曜天国」(日曜午前10時~11時55分)が放送されている。“あずみ対あすみ”対決をはじめ、他局の生ワイド番組との戦いを前に、阿澄は会見で思いを語った。主な一問一答は、以下の通り。

 -今の意気込み、思いは

 今回、お声がけいただきまして、私の中では初めての生放送レギュラーラジオ番組ということになるので、とても緊張しますし、プレッシャーもあるんですけども、私自身もラジオを聴いてきた身として、こういう番組を担当させていただけるのは本当にありがたいことだな、と思いまして、新しいチャレンジをさせていただくことに決めました。アニラジ(アニメ系ラジオ)枠で、日曜お昼地上波は、だいぶ新しい試みと伺っていますし、新しいことが、たくさん出てくる番組になりそうで、ワクワクしているんですが。みんなでゼロから作り上げていくという気持ちで、この番組が育てていくといいなぁと思っております。

 -どんな内容の番組にしたい?

 (アシスタントらとの)顔合わせがありまして、ほぼフルメンバーで初めてお会いしまして…いろいろな個性の方が集まっている。現場などでお会いした方もいらっしゃるんですけど、本当に新しいことが始まるなぁという感じで、皆さん、とても前向き、前のめりだと感じました。私は、単純に楽しい番組になりそうだな…というふうに思いました。私自身が人見知りだったりはするんですけれども、初めましての現場で、そういう感覚を抱けたのは多分、皆さんのお人がらがあるのだと…第1インスピレーションではありますけど、そんなふうに思えました。どんな番組になっていくのかは、本当にやってみないと分からないところもあるんですけど私自身、いろいろなラジオを聴いてきた中で、リクエスト番組にかけてほしい曲をリクエストしたり、1リスナーとして楽しんできた経験もあるので。出る側だったりスタッフが楽しめるのはもちろん、リスナーの皆さまにも一緒に番組を作っているくらいの感覚でリクエストもほしいですし、仲間的に聴いていただける番組になればいいなと思っております。アニソン自体は、私も歌わせていただいてきたもの、出演作の主題歌とかいろいろな関わり方をしてきました。みなさん、リクエストするには、するなりの何か思いを、きっとお持ちだと思いますので、そういうものも含めて紹介していけたらなぁと思っています。

 -リクエストが通って放送された経験、思い出は

 中学生の時だと思うんですけど、ラジオネームも考えるじゃないですか。聴いている友だちにはバレたくないので、割と一般的で、ありそうな名前を考えるんですけど。ちなみに、私はアリエルだったんですけど…別にありそうなのでアリエルではなくて、アニメ映画「リトル・マーメイド」の(人魚の)キャラクターが当時、好きで。そういうところからワクワクしますし。あの時代は、リスナーさんの投稿の仕方がハガキ、電話、ファクス、ギリギリ、メール…今と違う形だったかと思うんですけど。何(どの手段)でリクエストしたのか、何の曲を、というのは覚えていないんですけど、聴いていて自分のリクエストした曲、自分の考えたラジオネームが呼ばれて「これは私(のリクエスト)で、いいのか!?」と…ちゃんと届いているし、受け取ってもらっているし、リスナーに届けてもらえているという感動は、すごかったですね。全く違う世界の出来事じゃないんだなと思いまして、番組がより身近になった瞬間でもありました。メディアって自分とは違う場所で起きている何か、という印象もあると思うんですけど、ラジオは意外とつながっていると知ってもらえたらうれしい。作っている側もリスナーさんが思っている以上に気にかけているというか、とても身近に感じているので、ぜひ怖がらずに寄ってきてほしいと思いますね。

 -呼びたいゲストは?

 えーっ…どうでしょう? 私の周りでも、音楽活動をしていらっしゃる人はたくさんいたりもするので、お仕事関係なく仲のいい友だちも来るかも知れませんし、逆にお話をしたことのないような方のお話を聞くのも楽しみですね。

 -2時間の生放送を前に準備していることは?

 最近、自分の出ているもの以外は、ラジオを聴いていなかったので、聴くようにしようと思っているところです(笑い)学生時代は、本当にいろいろ聴いていたんですけど、仕事をはじめてから、なかなか1リスナー側として楽しむことが少なくなってしまっていたので、勉強しようかなと思っております。

 -日曜昼は自分にとってどういう時間? その感覚は番組に反映されるか?

 日曜日って、やっぱりお仕事だったり学校だったり、お休みの方が多いんじゃないかと思うんですけど。お休みのお昼11時から1時…もしかしたら何も予定がなかったら、寝ている方もいらっしゃるかも知れないし。私自身は、もし全く予定がなかったら多分、寝ている時間帯だったりするんですですけど、そういう方が、まどろみながらでも聴いて楽しんでいただける番組になれば、いいなと思います。最近、どこでもラジオが聴けるようになっているじゃないですか? そういうのを生かして、おうちにいない方にも聴いていただきたい。(近年、インターネットラジオへの出演も多く)ラジオとして音声だけで楽しんでいただける番組は、私は久々で…そももそもが、そこで育っている世代だったりもするので、その良さを生かせたらいいなと思っています。

 -他局は強力なパーソナリティーの生ワイドが多い。そこへの意気込みは?

 何て言っていいか、難しいんですけど…リスナー側の意見としては、聴きたい時に聴きたいものを聴くというのが、一番いいかなと思うので。本当は(生ワイド番組の)メインパーソナリティーとして、あまり言ってはいけないのかもですけど、聴きたい時に聴いてもらえれば、うれしいと思っちゃいますね。それぞれの番組の良さがあるじゃないですか? 番組らしさ、色がだんだん出ていくと思うので大事にしていきたいと思います。あとはリスナーさん次第です。

 -パソコンやスマホでラジオを聴くことができる「radiko」では、タイムフリーという後から聴くことができる機能もある。そこも番組作りには想定するか?

 今はもう、いろいろな形で聴くことができるようになっているので…そういう時代にやれていることを意識ながら、番組を作っていきたいとは思います。

 アニメ系のラジオ番組は、夜や深夜帯に編成されるケースがほとんどで、聴取する習慣が少ないであろう日曜昼帯に、どれだけのアニメファンが聴取するか、不確定要素はある。その中、同局のインターネットラジオ「超! A&G+」で「阿澄佳奈 星空ひなたぼっこ」(月曜午後11時)など、阿澄はインターネットラジオの出演も多い。その経験を生かし、生ワイド番組ながらタイムフリーで聴取した場合も楽しめる番組作りへの意欲を示したところは、今後にとって明るい材料と言えそうだ。【村上幸将】