肺炎のため6日に亡くなった女優京唄子さん(享年89)の葬儀・告別式が8日、大阪市内の斎場で、親族らごく親しい関係者のみ、約50人が出席して行われた。出棺の際には、参列者から「京唄子、にっぽんいちっ!」の声が飛んだ。

 50年来の担当マネジャーによると、TBS系「渡る世間は鬼ばかり」のスタッフや出演者らから、供花の申し出もあったが辞退。戒名には「唄」の文字と、桜の季節であることから「櫻(桜)」の字が入れられ、棺の横には“花道”のように桜が置かれていた。

 葬儀出席者によると、喪主の長女節子さん(67)は、09年から腰椎圧迫骨折で療養していた唄子さんが「国立文楽劇場にもう1度立ちたい」と話していたと明かし、「私も立たせてあげたかった」とあいさつしたという。同劇場では、療養直前の08年に、「京唄子劇団」の舞台「浪花のれん」を上演していた。

 また、同劇団の座員や元座員は、一昨年7月に唄子さんの誕生日に自宅へ見舞い「また仕事したいと、話しておられ、元気だったのに」と涙。「向こうで啓助師匠と『唄啓劇団』作りはりますわ」と話した。

 通夜、葬儀は唄子さんの希望で家族葬となったため、後日のお別れ会開催に向け、協議を進めていく。