「両名とも無罪」。裁判長の言葉に涙が止まらなかった。28日、大阪地裁で無罪判決を受けたタレント羽賀研二(47)。思わず「ひっ」としゃくり上げて傍聴席を振り返り、あふれる涙を手で何度もぬぐった。

 この日の羽賀は白いシャツに黒のスーツ姿。落ち着いた表情で入廷し、傍聴席と裁判官席に深々と一礼、元プロボクシング世界王者渡辺二郎さん(53)とともに証言台の前に立った。

 逮捕から1年5カ月。羽賀は、1時間20分に及ぶ判決言い渡しの間、込み上げる思いを抑えきれない様子。弁護人の前のいすに座った後も、弁護人に振り返ったり、傍聴席へ何度も目をやったりした。時折、晴れやかな表情ものぞいた。

 閉廷後、満面の笑みで弁護人と握手。柵越しに妻とみられる女性ら知人と抱き合った。また泣きじゃくった。羽賀は「感謝しています。これから頑張っていきます」とタクシーに乗り込んだ。

 一方、逮捕した大阪府警。捜査幹部は午前10時すぎに判決を知らされた。一瞬宙に目をやると、表情を変えずに「公判は検察の話。控訴するんじゃないかな。まあ仕方ないな」。別の幹部は「うちがとやかく言うことはできん」とだけ答えた。