経営再建中の劇場運営会社、御園座(名古屋市)は30日、劇場事業に関する業務提携を松竹と締結した。演劇公演の企画や制作、上演で連携する。資本提携について松竹は「現時点で白紙」としている。

 松竹は御園座の株式の約3%を保有する第4位の大株主で、歌舞伎の公演でつながりが深い。御園座は、事業面で松竹との関係を強化し、劇場運営の効率化や新規顧客の開拓に取り組む。集客力が高い新たな公演の開発も目標にする。

 御園座は、主力取引銀行の三菱東京UFJ銀行など5行と、長期債務計7億円の返済期限の延長で合意した。来年3月までに抜本的な経営の再建計画を固め、債務超過の解消を目指す。

 松竹は「御園座は中部地方の公演の拠点。協力して演劇、歌舞伎の文化の灯を名古屋にともし続けたい」と説明している。