来秋スタートの次々期NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」のヒロインが杏(26)に決まり、12日午前、大阪市中央区の同大阪放送局で発表された。杏は会見の冒頭で「本当に誰にも(ヒロイン内定は)言うなと言われていたので、さっき、両親にだけ報告しました」とあいさつした。

 俳優渡辺謙を父に持ち、自身はモデルに加え、現在はNHK大河ドラマ「平清盛」にも北条政子役で出演するなど、女優の地位もしっかり築いている。ヒロイン決定は、父の渡辺にも「報告していませんでした」といい、会見出席直前に連絡したという。

 今回は、東京の洋食店の娘に生まれ、東京育ちで、大阪の男性に恋をして、東西の食事、文化の違いに戸惑いながらも、夢へ向かう夫を支える妻を演じる。

 「ヒロインとは、まさか…といった感じですが、大阪へ嫁に来るような感じで、本当に楽しみです」

 前日11日夜、大阪市内で、同ドラマスタッフと会食し、食にこだわるヒロイン同様の食い意地が張った素の顔もチラリ。「真剣に話していたんですが。金色のいくらに目を奪われて、思わず、ん?

 と…」。食事への好奇心は旺盛で、未経験の食材は「必ず食べたい」といい、ヒロイン像に近い性格でもある。

 ただ、問題は関西弁への慣れだ。大阪へ嫁いだ後、徐々に関西弁のセリフになる見込みで「大阪の男の人といえば、テレビで共演しているナイナイさん。特に矢部さんの関西弁が独特でおもしろくて、機会があれば教えてもらいたい」と話した。

 脚本はドラマ「JIN-仁-」などを手掛けた森下佳子氏。今回は、オーディションはせず、同局が杏の仕事ぶり、趣味の歴史に没頭するなど、積極的なライフスタイルにひかれ、出演交渉してヒロインに決まった。夫役など、他の配役は来年春以降に発表され、同5月下旬から収録に入る。