来秋スタートの次々期NHK連続テレビ小説が、53年91作の朝ドラ史上初めて、外国人ヒロインを迎えることが決まり、同大阪放送局で発表された。

 作品名は「マッサン」で、ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝氏とスコットランド出身の夫人をモデルに、大正から戦後までの夫婦の奮闘記を描く。

 脚本は映画「パッチギ!」などで知られる羽原大介氏。ヒロインは、今年秋に放送終了した「あまちゃん」の能年玲奈以来となるオーディションを経て、来年2月に発表される。

 現在放送中の「ごちそうさん」の杏、来春スタートの次期「花子とアン」の吉高由里子は、実績ある女優をNHKがキャスティングする形で起用。

 しかし、今回は、「あまちゃん」以来3作ぶりのオーディションとなる。もともとは、朝ドラのヒロインといえば、オーディションを経て決まっていたが、近年、オーディションではなく、すでに活躍中の女優を起用するキャスティング方式が多くなっていた。

 桜井賢制作統括プロデューサー(45)は、オーディション復活を「ドラマとともにヒロインが成長するのも朝ドラの原点。作品、スタッフと一緒にヒロインも成長していってもらいたい」と説明。オーディションでは女優経験の多少は問わないことも明らかにした。

 「原点回帰といえば、原点回帰ですね」

 櫻井氏も言うように、作品そのものにも原点回帰の意味合いがある。日本人男性と結婚した外国人妻が、日本文化に戸惑い、受け入れ、夫と支え合い、大正から昭和、戦後の日本の動乱期を生き抜く様を描くことで「日本文化、日本人というものを見直せれば」と話す。

 多様な意味での“原点回帰”になる次々期朝ドラ。ヒロインは年内に選考、来年開けにオーディションを開く。