音楽配信のフェイスは3日、傘下の音楽ソフト大手、日本コロムビアの持ち株比率を現在の約33%から、最大で60%(議決権ベース)まで引き上げ、子会社化すると発表した。コロムビアの持つ音楽ソフトを活用し、イベントや携帯端末向けの配信などの事業を拡大するのが狙い。

 4日から3月18日まで1株780円で株式公開買い付け(TOB)し、費用は最大で約29億円。子会社化した後も日本コロムビアの上場は維持して経営陣も変更しない考え。TOBには日本コロムビアも賛同している。

 フェイスの平沢創社長は「提携関係をさらに深めることで、ネットを活用した新たな成長市場への取り組みを強化したい」と述べた。

 日本コロムビアは1910年設立の草分け的なレコード会社で、氷川きよしさんらが所属している。業績不振に陥った2001年に投資ファンド傘下に入って経営再建を進め、10年にフェイスが株式の約3割を取得して持ち分法適用会社としていた。