NHKの籾井勝人会長は、3月31日の参院決算委員会で、就任初日に理事から辞表を預かったことを「よくあること」と述べた問題で、再び迷走発言を繰り返した。

 民主党の尾立源幸議員から、かつて籾井氏が副社長を務めた三井物産などの大手企業では、辞表を預かるケースはなかったと指摘されると、「それぞれの会社は100年、あるいはそれ以上の歴史がある。(辞表を)出させたことはなかったとは、言い切れなかったのではないか。現実に、いくつかの会社はあるのではないか」と反論。「じゃあ、(その企業名を)どこで知ったのか。いつの時代にされていたのか」と突っ込まれると、「具体的な事例はありますが、ここでは差し控えさせていただく」「今の問題はお答えしかねます」と、途端にトーンダウンした。委員長からも「もう1度答えてください」と指摘されるなど、審議はたびたび中断した。

 尾立議員は「あなたはどんどん、どつぼに入っていく人ですね」と、あきれた様子で指摘した。

 NHKの2014年度予算は、同日の参院本会議で、与党とみんなの党の賛成多数で可決、承認された。全会一致とならなかったのは、06年度以来。