放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は22日までに、耳が聞こえない作曲家として活動していた佐村河内守氏の作曲者偽装問題を取り上げたTBS系「アッコにおまかせ!」について、審理入りすることを決めた。佐村河内氏が、8月26日付で人権侵害の申立書を同委員会に提出していた。

 対象の番組は3月9日に放送され、佐村河内氏の謝罪会見を取材し、その内容をまとめたVTRとともにスタジオトークを生放送で展開していた。

 同委員会によると、佐村河内氏は「聴力に関して事実に反する放送を行ったものであり、それにより、聴覚障害者であるかのように装って記者会見に臨んだとの印象を与え、名誉を著しく侵害した」と主張。さらに「特定の映像を意図的にカットして悪意ある編集を行い、事実そのものを捻じ曲げた」と訴えたという。

 これに対してTBSは9月30日付で「会見の綿密な取材と、診断書についての専門家の見解を踏まえて番組を制作した」と反論しているという。

 これとは別に、BPOの放送倫理検証委員会では、佐村河内氏を取り上げたテレビ5局の7番組について「視聴者に著しい誤解を与えた」として審理を続けている。