NHK定例会長会見が5日、東京・渋谷の同局で行われ、籾井勝人会長(71)の発言きっかけに、激しく質疑応答が繰り返される展開になった。

 今後、放送されるであろう終戦特別番組などで従軍慰安婦問題を取りあげるか否かを質問され、籾井会長は「まだ正式に政府のスタンスが見えない。今、取りあげるのは妥当か慎重に考えないといけない。夏にかけて政府の方針がどう分かるのかポイント」と返答した。

 これを受け、取材陣が「政府のスタンスが見えないというが、現時点では河野談話がある。河野談話を変えるべきとか、変わりえると考えているのか」などと追求したが、「その手の質問は控えます。しゃべったら大騒動になるじゃないですか」と明言を避けた。その後は、「大騒動になる考えを持つのか」と問われ、「ありません」と怒りをにじませた。

 籾井会長は、14年1月の会長就任時、竹島問題・尖閣諸島問題の質問について「日本の立場を国際放送で明確に発信していく、国際放送とはそういうもの。政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」などと発言し、姿勢が「政府寄り」として、批判された経緯がある。