北野武監督(67)が25日、東京・六本木ヒルズで開催中の第27回東京国際映画祭で、トークイベントを開いた。同映画祭から第1回SAMURAI賞を受賞された記念で開いたもので、ぴあフィルムフェスティバルや日本学生映画祭で賞を受賞した若手監督8人とともに登壇し、質問を受けた。

 北野監督は、日本映画界を痛烈に批判した。

 「映画の製作会社が、劇場と関連しているのが最低。自分の作品が米アカデミー賞(外国語作品賞候補)に推薦されたことがない。ここで言うのもイライラするけど、日本アカデミー賞最優秀賞は東宝、東映、松竹…たまに日活の持ち回り。アカデミー賞会員が選んだ、というけど、どこにいる?

 手を上げてほしい。(中略)メディアも『大絶賛』とか書くからダメ。(中略)そういう汚いことをやっているから、日本映画はダメになる。とにかく、大手の映画会社に巻き込まれないように、巻き込まれるならだますように」

 さらに若手監督たちに「自分が描きたいものを自分なりに描けばいい。でも、他の嫌なものも認める余裕がないといけない。僕はアニメは嫌い。宮崎駿は一番嫌い。でも、あれだけお金を稼げる、すごいアニメとは認める」と語った。

 また「自らの追い込み方は」と聞かれると「どうせ死ぬんだから、ということ。人間は生まれて、ご飯食べて、う●こして、子ども作って、死ぬ。どれだけ考えたり、動けるか。社会的に迷惑をかけずに、スレスレで生きることを、無限に考えた方がいい」と持論を展開した。