落語家柳家花緑(37)が祖父の5代目柳家小さんが長年出演していた永谷園「あさげ」のCMを継承する。

 先代小さんが即席みそ汁「あさげ」のCMに出演したのは74年。「うまいねえ、これでインスタントかい?」というせりふで人気を集め、90年まで続いた。花緑が10歳ぐらいの時には叔父の柳家三語楼(現小さん)とともに3代で共演もした。花緑は「いま一番うれしい仕事の1つになりました。弟子が尊敬する師匠のものを受け継げるのはなんでもうれしいですよ。子供の時に祖父を『有名人なんだ』と認識したのもこのCMでしたからね」。

 今回は生前の祖父の映像との“共演”が実現した。「今年は七回忌なんですが、祖父の映像や写真がCMという形でテレビや新聞に出るのもうれしいですよ。落語界でも驚くと思いますよ」。落語協会会長を長く務めた先代小さんは落語界初の人間国宝となり、02年に87歳で亡くなった。直後に花緑は、祖父から須藤石材のイメージキャラクターを受け継いだ。「今回、CMが決まったのも祖父の差し金というか、パワーを感じます」。新CMは15日から放送される。

 花緑は落語以外に、シアタークリエ8月公演「宝塚BOYS」に出演した。フジテレビ系「とくダネ!」ではプレゼンターを務め、テレビ東京系「匠の肖像」ではナレーション、NHK教育「歴史に好奇心」にもナビゲーターでレギュラー出演するなど、多方面で活躍している。花緑は、「守りに入らず、挑発的に攻めていきたい」と話した。