演歌歌手小林幸子(55)をモチーフにした、伊東四朗一座・熱海五郎(三宅裕司)一座合同公演「日本映画頂上決戦」で披露した巨大幸子人形が、27日から故郷の新潟市NEXT21で一般公開されることが6日、決まった。同人形は舞台のフィナーレを飾る目玉で、小林が高さ7メートル40センチ、重さ1600キロの自分そっくりの人形の手のひらで歌唱していた。

 NHK紅白歌合戦級の大仕掛けで、座長の伊東四朗が「今年の紅白でもどうですか?」と勧めたほど。先月30日に千秋楽を迎えたが、ファンから「間近で人形を見たい」との声が多数寄せられ、新潟市内の高層ビルNEXT21の1階吹き抜けロビーに半年間、無料展示されることになった。

 舞台での演出は三宅裕司のアイデア。5社協定が存在した時代の日本映画界の話で、ヒット映画「大魔神」に対抗して「大婦人」を製作するというあらすじ。観客がラストに驚くシーンを考えたところ、巨大な大婦人がセリから上がるアイデアが浮かんだという。

 フィナーレで幸子が歌唱している途中、巨大な大婦人がセリからあがり、それに伴い幸子も上昇。最後は地上3メートル45センチの高さで歌い観客から大爆笑が起こった。

 巨大人形は鉄骨で組まれ、表面は発泡スチロール。幸子の3方向の写真からデータを取り、切削マシンで発泡スチロールを削って最後は彫刻家が手で仕上げた力作だ。制作期間は1週間で、パーツはベニヤ、アルミ、針金など200以上に及んだ。公演後も新潟で展示されることに、幸子は「嫁ぎ先が決まってうれしい。私の分身ですから、これで少しでも故郷に恩返しできれば」。今年の紅白歌合戦は60回の記念年。出場が決まれば「大婦人幸子」以上のビックリ演出が期待できそうだ。

 [2009年6月7日9時20分

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