三谷幸喜脚本で9日から3夜連続で放送されたフジテレビ開局50周年特別ドラマ「わが家の歴史」が、平均20・3%の高視聴率だったことが12日、ビデオリサーチ社の調べで分かった。柴咲コウ、松本潤、堀北真希、長沢まさみら豪華キャストが話題となり、最終回(11日)の瞬間最高視聴率は26・1%を記録。三谷氏は「久しぶりに家族全員でドラマを見たという声をたくさん聞きました。これをきっかけに、またみんなでテレビを見る習慣が復活すればこんなにうれしいことはありません」と喜んだ。

 ドラマは計8時間の大作で、激動の昭和を底抜けの明るさとバイタリティーで生き抜いた、名もない家族を描いた。上海ロケや美術など、連続ドラマ1作品分以上の制作費を注ぎ、主要キャスト以外にも、榎本健一役の木梨憲武、高倉健役の小栗旬、永井荷風役の石坂浩二ら、実在の著名人を演じる豪華メンバーも話題になった。制作発表で三谷氏自身「フジテレビ100周年の時に続編を書きたい。(子役の)加藤清史郎さん以外は全滅している可能性が高いが、あと50年生き抜いて出演してください」と叫ぶほどの自信作だった。ドラマ低迷といわれる時代に、三谷作品の人気を裏付けた。

 同局によると、視聴者層は幅広い女性層を中心に、20代以上の男性層も多かった。重岡由美子プロデューサーは「何よりうれしいのは、多くの方が『家族で見た』とか『遠くに暮らす家族と連絡を取り合った』とおっしゃってくださることです。フジテレビ開局当時のキャッチフレーズは“母と子のフジテレビ”でしたが、その原点、初心に戻れた気がしました」としている。

 [2010年4月13日7時38分

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