綾瀬はるか(41)が11日、都内のTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた千鳥の大悟(46)との主演映画「箱の中の羊」(5月29日公開)完成披露試写会に登壇。2015年(平27)の「海街diary」以来、11年ぶりのタッグとなった是枝裕和監督(63)を「監督は11年前も、すごい穏やかでいらっしゃって。今回、さらに、すごい領域に行かれている気がします」と、独特の言い回しで評した。一方、是枝監督は建築家を演じた綾瀬から美術が得意だと撮影時に明かされ。手元を映すためにプロを用意していたものの、図面を書くシーンはじめ綾瀬本人が演じたと明かした。

綾瀬は、大悟から「初めてか、その領域は?」と投げかけられ「何か、すごい…何なんですかね?」と素で答え「それを聞いとんねん」と突っ込まれると「さらに、すごい感じでした」と答えた。司会を務めたフジテレビ宮司愛海アナウンサー(34)から「どういうところですか? 撮影手法なのか、空気なのか?」と聞かれると、綾瀬は「空気ですね。監督の空気と目の奥にある自信」と答えた。是枝監督は「10年前と比べると、どう出てきても。こういけば大丈夫…受けに余裕が出てきたのかな」と答えた。綾瀬は「今回は本当に毎日、監督すごいなと思うところがたくさんありました」とたたえた。

「箱の中の羊」は、24年春に中国で死者のよみがえりビジネスが人気という記事を読んだ是枝監督の中に湧いた「最新のテクノロジーで死者をよみがえらせる」という発想が出発点となり、同秋にビジネスをしている人に会い原案・脚本から手がけた。そう遠くない未来が舞台で、綾瀬が演じる息子を亡くして2年の建築家・音々と工務店の2代目社長を務める健介の甲本夫婦が、桒木が演じる息子・翔の姿をしたヒューマノイドを迎え入れる物語。野呂は戸建て顧客夫婦の妻・羽野佳澄を演じた。

是枝監督は、綾瀬が演じた音々は、脚本を執筆した際、綾瀬をイメージして書いた「当て書きです」と語った。「海街diary」では長沢まさみ(38)夏帆(34)広瀬すず(27)と4姉妹を演じたが「海街の時には、しっかりものの4姉妹の長女という役柄だった。今回は、もう少し多面的に描こうかなと思って、妻であり母であり、姉であり娘である…それぞれで、同感情を複雑に演じてもらうか」と当て書きした音々に込めた狙いを明かした。

是枝監督にとって、意外だったのは「小さい頃から美術がすごく良く、模写とか模型、作るのが得意」という綾瀬の美術の腕前だった。撮影現場には「デッサンを描く手元を映す、プロの方」を用意していたが、綾瀬から「自分で、できると思いますよ。私美術、得意だったんで」と告げられたという。同監督は「撮ったら、本当に素晴らしくて、そのまま綾瀬さんのまま使いました」と明かした。

この日は、大悟演じる健介の元で働くタマケン従業員・日高玄役の寛一郎(29)ヒューマノイド・リーダー今野詩季役の柊木陽太(14)戸建て顧客夫婦の妻・羽野佳澄役の野呂佳代(42)も登壇した。

◆「箱の中の羊」 息子を亡くして2年。建築家の音々(綾瀬はるか)と工務店の二代目社長・健介(大悟)の甲本夫婦は、息子・翔(桒木里夢)の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになる。到着した日、「おかえり」と駆け寄り喜びを隠さない音々と、戸惑いを隠せない硬い表情の健介。「パパだよね」と問いかけられた健介は、「おじさんでええよ」と答える。ほどなく予期せぬ事態が起こり、夫婦がそれぞれに抱く息子の死への想いが露わになっていく。夫婦が大きな決断に迫られる中、ヒューマノイド翔は密かにヒューマノイドの仲間たちとつながり始める。