俳優渡哲也(69)と渡瀬恒彦(67)が、40年ぶり2度目の兄弟共演を果たしたTBS年末ドラマスペシャル「帰郷」(23日午後9時)が5日、千葉県市川市でクランクアップした。行徳文化ホールで行われた制作発表会見で、2人は「もう終わりなのかという寂しさ」(渡)、「ある種の終わった感というか寂しさを感じる」(渡瀬)と口をそろえて撮影終了を惜しみ、固い握手をかわした。
40年ぶりの共演が実現した1カ月の撮影が終わり、渡と渡瀬は、これまでほぼ口にしなかった兄、弟としての思いを吐露した。
渡
この間始まったばかりなのに、もう終わりなのかという寂しさ。もう少し長くても良かった。撮影が楽しかったんでしょうか。
渡瀬
そうそう(兄弟共演は)やれる機会はないだろうし、多分最後になるんだろうなという思いもあった。ああ終わっちゃうんだという寂しさは本当に感じました。映画1本やっても、ここまで感じることはないんですが。
71年に初共演したNHK「あまくちからくち」を振り返り、渡は「私もうまくなかったですが、私以上にヘタだった恒彦を心配した」と笑った。それから40年を経て、互いに俳優として一時代を築き「渡と渡瀬が一緒に仕事をしたという思い」(渡)で認め合い、真正面からぶつかった。劇中では渡が渡瀬の胸ぐらをつかみ、渡瀬も渡の顔面に花をぶつけるなど、21年にわたる兄弟の確執を演じきった。
渡は「身内なんで非常に言いにくいですが、私をはるかに超えた俳優になった。弟はフォーク、スライダー、カーブを投げられるが、僕はボール気味のストレートしか投げられない」と渡瀬をたたえた。渡瀬も「(渡は)直球しか投げられない人だなぁと。僕は直球のスピードが出ないので、かわしながらと、せこいことを考えてます」と独特の言い回しで兄を立てた。
未練を感じたのか、渡瀬は共演の富司純子、大竹しのぶ、柄本明らの名前を挙げ「前言を翻します。このメンバーが出てくれるなら(再度兄弟共演を)やってもいいです」と話した。ただ渡は「私は弟とやるのは十分です。遠慮させていただきます」と、やんわり否定。渡は兄弟の美しい1ページを、大事に残したいと言わんばかりの笑みを浮かべた。【村上幸将】




