歌手やしきたかじん(62)が、初期食道がんのため、芸能活動を無期限休養することが1月31日、分かった。この日夜、所属事務所が公式ホームページで発表した。たかじんは「今後は治療のため、しばらくの間、レギュラー番組を休ませていただきます」とつづった。事務所によると、現状、本人の体調は「元気」だが、喫煙、飲酒は控え、治療に専念するという。

 たかじんは、関西ローカルの放送で視聴率20%を超えることもある読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」をはじめ、レギュラー番組3本を持つ。この日夜、在阪テレビ局にも、たかじん休養の情報が入り、番組スタッフは対応に追われた。

 たかじんと言えば、昨年8月、島田紳助さんが、暴力団幹部との親密交際で引退した際には、ツイッターで「ここ10数年間、ミナミに土地ビルを収得、商売を展開している間に、その種の人たちと関係が深まっていったのは事実」などと、島田さんと裏社会との関係について言及。これが、波紋を呼び、つぶやきをやめるハプニングもあった。

 奔放な発言、毒舌に加え、北新地で深酒して暴れるといった武勇伝などで知られるが、50代後半ごろから、定期的に体調管理に努め、健康に留意。コンサート活動では極度の重圧から自律神経に異常をきたしたこともあり、50歳を機に歌手活動をいったん休業した。その後、再開したものの、テレビのレギュラー本数も抑え「空気のええ北海道で暮らす」として、数年前から、大阪府内の自宅以外に、札幌市内にも拠点を構えていた。

 ◆やしきたかじん(本名・家鋪隆仁)1949年(昭24)10月5日、大阪市生まれ。京都のクラブで弾き語りをするなど、多様な音楽活動を経て、「あんた」(84年)「やっぱ好きやねん」(86年)「ICHIZU」(87年)とヒットが続き、大阪で歌手として不動の人気を得る。同時に歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで、司会者としても活躍。関西の視聴率男と呼ばれるが、大の東京嫌いで、過去にも、全国ネットのレギュラーは少ない。現在は、大阪活性化を目的とする民間団体「OSAKAあかるクラブ」のキャプテン。血液型O。趣味はゴルフ。