10日に前立腺がんで亡くなった俳優小沢昭一さん(享年83)の通夜が14日、東京・新宿区の千日谷会堂で営まれ、永六輔(79)黒柳徹子(79)ら約850人が参列した。

 祭壇にはたばこを片手にほほ笑む遺影が飾られた。09年に雑誌の対談時に撮影された写真で、妻英子さんのお気に入り。戒名は「洽昭院澹然一哲居士(こうしょういんたんねんいってつこじ)」。世の中に豊富な見識をユーモアと優しさを持って伝えた活眼の士という意味が込められた。ひつぎには家族の写真、TBSラジオ番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」次回収録予定だった台本、同番組1万回記念ハーモニカ、たばこなどが納められる。ひつぎの中の小沢さんは昨年、春風亭小朝の落語会に出演した際に着た木目調の着物を着ているという。

 黒柳は弔問後「本当に寂しい。温かくて面白い、いい男でした」としのんだ。一昨年にテレビ朝日系「徹子の部屋」に小沢さんがゲスト出演した際に撮った学生服とセーラー服の衣装を着た写真をひつぎの前で広げて、お別れをしてきたと明かし、「いずれあちらに行ったときは笑わせてください」と寂しそうに語った。

 葬儀・告別式は今日15日午前11時から、同所で行われる。喪主は妻英子(えいこ)さん。

 ◆主な参列者

 生島ヒロシ、乙武洋匡、加藤武、桂米団治、神津善行、河野洋平、篠田正浩、春風亭小朝、露木茂、長峰由紀、中村メイコ、野坂昭如、林家正蔵、林家三平、吉行和子(敬称略)