フォークグループ・アリスが3日、公演先の東京国際フォーラムで、今年秋に東京・日本武道館で3日間連続公演を行うことを発表した。開催中の全国47都道府県ツアーを締めくくる追加公演として行う。日本武道館は、78年に日本人アーティストとして公演記録も作った思い出の地。5月から続くツアーもこれから佳境を迎える。

 追加公演の発表会見は、47都道府県ツアー35本目となる東京公演の開演前に行われた。5月3日からスタートしたツアーは、10月27日の大阪城ホール公演で終了する予定だった。ところが各会場のチケットはすぐに完売する人気ぶりで、現在残り26公演となったが、チケットはほとんど残っていない。この勢いに乗る形で、日本武道館公演を10月31日から11月2日まで3日間連続で開催することが決まった。この日は、公演終盤にメンバーがステージで追加の武道館公演を発表。ファン約5000人から大歓声を浴びた。谷村新司(64)は「ありがとうございます」と言って声援に応えた。

 アリスにとって、日本武道館は縁が深く、特別な場所だ。78年8月に3日間公演を行った。3日間公演は当時、日本人アーティストで初めての快挙。翌79年8月には7日間公演を行い、当時の武道館記録を自身で塗り替えていった。谷村はこの日、「当時は60歳を超えてあの場所で歌っているとは思わなかった」と感慨深げに話した。堀内孝雄(63)は「音が良いよね」と武道館への愛着を示した。矢沢透(64)は「昔は本当に広いと思っていたけど、今では一番いいぐらいの会場」となじんできた気持ちを明かした。さらに谷村は「当時、お母さんのおなかの中で歌を聴いていた子が、生まれてきて、見に来てくれる年になっていると思うと驚いている」としみじみと話した。

 全国ツアーは09年以来、4年ぶり。全国を元気にしたいと47都道府県ツアーとしたが、スタート前、堀内が「この年齢でむちゃするな」と苦笑いしていたが、後半戦に突入しているタイミングで追加公演開催を決めた。還暦を超えても3人は元気いっぱいだ。