<連載「気になリスト」(31)>

 惜しげもなく裸身をさらした映画「共喰い」をきっかけに女優木下美咲(23)はネット上で所属事務所の先輩、吉高由里子(25)の「再来」「後継者」と評判になった。菅田将暉(20)演じる主人公とのぬれ場では、男性経験が少ない女性が痛みを訴える生々しさも伝わってきた。08年「蛇にピアス」で初ヌードとセックスシーンに挑戦した吉高を思い起こさせた。

 「(評判が)そこまでだったとは全然気付いていませんでした。うれしいのと頑張らないと、という気持ち」と笑うが、すぐ付け加えた。「いろいろな人を生きたい。どの女優さんも色、個性があってすてき。この人みたいになりたいというのはあまりなくて、『木下美咲』という土台があってからの幅広い役者を目指したい」

 「脱ぎ」があるということはさすがに考えたが、昨年5月、オーディションに合格した段階で「私でいきたいと言われた時にはやるって思っていた」。みこし蔵の中でのセックスシーンにも挑戦。ロケの最後に撮影したが「シーン的に、しんどい気持ちになったんですけど逆に良かった。その役を生きることが出来たから。現場の雰囲気も良く(脱ぐことに)抵抗がありませんでした。肝は据わってるかも知れない」。

 小学4年で女優になろうと思った。「人生短いな。やりたいことがいっぱいあるのにと思った時にドラマを見て『女優さんはいろいろな人を生きることが出来るな、いいな』と思い、目指しました」。06年に芸能界入り。08年ドラマ「私は1本の木に恋をした」でデビューした。

 それから5年。「共喰い」でチャンスをつかみ、10月の韓国・釜山映画祭で国際映画祭とレッドカーペットを初体験。体を張り、女優として幅が広がったことで、さらに過激な役がめぐってくる可能性もある。「やることで、違う自分に出会えるワクワク感、期待がある。悪い役はやってみたい。歌も歌いたい」。どこまでも肝が据わっている。【村上幸将】

 ◆木下美咲(きのした・みさき)1990年(平2)7月26日、大分県生まれ。06年に現所属事務所アミューズが主催した「第2回お姫様王子様オーディション」で3507人の中からお姫様部門(女性部門)のグランプリ獲得。今年は8月にキングコング西野亮広脚本「ドーナツ博士とGO!

 GO!

 ピクニック」で初舞台。「共喰い」でヒロインを熱演。157センチ。血液型A。