ダウンタウン松本人志(47)が監督した3作目の映画「さや侍」が11日、初日を迎えた。8月にスイスで開催されるロカルノ映画祭での上映も決まるなど、監督として着実に歩みを進めている。このほど日刊スポーツのインタビューに応じ、作品、今後の活動、娘のことなどを語った。

 前2作は、ヒーローの日常をドキュメンタリーふうに描いた「大日本人」と、真っ白な部屋に閉じこめられた男が主人公の「しんぼる」。今回は父娘の時代劇。主演は、バラエティー番組の出演経験があるとはいえ、演技経験はない野見隆明さん(54)だ。

 「必ず1つは誰もやってないことをやりたい。素人のおっちゃんに、僕の映画とも主演とも言わないで撮ったのは大きなチャレンジやった。オリジナリティーにこだわっていきたいんです」。

 監督を客観的に見るため主演せず、監督に専念したことも挑戦だった。

 「今回が一番監督らしいことをしてるんです。ただ、監督業にのみ込まれないようにしないといけない。『映画を壊す』ことが本来の目的やったので、あまりプロフェッショナルにならないようにしないと。誰かの現場に行ってみたいなあとも思いますけど、コントだって作り方を教わったわけじゃないしなあ」。

 ロカルノ映画祭では特集上映「松本シネマ」が組まれ、「大日本人」はハリウッドでのリメークが決定した。知名度がない分フラットの状態で勝負できる。

 「有名人だから映画を撮れる現実もあるけど、有名人監督である苦難もある。ハードル高くなっちゃいますよね。ゼロにしたいけど、できないですもんね」。

 苦しいこともあるが、1歳半の娘の父親としての穏やかな顔も見せた。

 「だいぶ自分とダブる部分は出てきました。撮ってる途中で、そういやあ映画でもドラマでも親子ものって好きやったなあ、と気付いて、途中からのめり込みましたね。おやじの顔が出ちゃいました」。

 今後も予想できない作品を作ることは確かだ。

 「3作目を見た人が『次はこうかなあ』と思うなら、全然違う感じでいきたい。とにかくびっくりさせたいし、裏切りたい。笑いがないことが裏切りになるかもしれないし、笑いにこだわり過ぎない方がいいのかなと思い始めました」。

 相方の浜田雅功を演出するという裏切りはないのだろうか。

 「ほんまに映画の話はしたことなくて。ちなみに、浜田の好きな映画は『愛と青春の旅だち』。僕ねえ、何っとも思わないですよ!

 ふーん、です。(演出は)ない…と思います。でも5年、10年前に、今回みたいな映画を撮るとは思ってなかったから、5年後、10年後にどうなってるか分かんないですね」。【小林千穂】