SMAP草なぎ剛(37)が09年に主演したフジテレビ系連続ドラマ「任侠ヘルパー」が映画化されることが8日、分かった。極道に身を置く主人公が、研修で老人介護施設のヘルパーとして働くことになり、悪戦苦闘する姿を描いたコメディーとして人気を呼んだ。ドラマは、極道から身を引き旅に出るシーンで幕を閉じた。映画はその続編で、主人公の元極道が堅気として生きる難しさに悩みながらも、任侠(にんきょう)の心意気を胸に、新たな介護施設で奮闘する姿を描く。

 連続ドラマは、ドラマ低迷期といわれた中、平均視聴率15%、最高視聴率17・8%の好成績を収めた。昨年には特別ドラマが放送され、その後も「ぜひ続きを見たい」という視聴者からの声が寄せられていた。こうした後押しに応える形で映画化が決まった。

 牧野正プロデューサーは「テレビでは描ききれなかった介護問題をより深く、草なぎさんのアクションもより激しく、スケールアップして描きたい」と話す。

 主軸となる人間ドラマは変わらないが、後半は激しいアクションシーンの連続となる。ドラマ版では、草なぎが4、5人を相手にする立ち回りはあったが、映画では大幅にスケールアップさせ、50人を相手にした大立ち回りを繰り広げる。

 草なぎはSMAPの中でも運動神経は抜群。ダンスやアクロバットはもちろん、水泳、剣道、陸上などスポーツ万能で知られている。最近も公の場で連続バック転を披露しており、日常的にトレーニングを積んでいるようだ。これまで柔和で物静かな役柄が印象的だったが、大立ち回りは強烈な印象を残しそうだ。

 草なぎは映画化について「好きな役なので、うれしかった」と言い、「後半はアクションシーンの連続。思い切り暴れたので、どんなシーンになっているのか楽しみ」と完成を待ち望んでいる。ドラマ版演出の西谷弘氏がメガホンを取り、現在撮影中。11月公開予定。

 ◆映画「任侠ヘルパー」

 堅気として生きる彦一(草なぎ)はコンビニ店員をしていた。ある日、強盗を取り押さえた後、老人と分かるとレジから金をつかみ出して渡して逃がした。その金は「後で返す」とコンビニ経営者に言ったが信じてもらえず逮捕される。1年後、刑務所でコンビニ強盗をはたらいた老人(堺正章)と再会する。ドラマに続いて黒木メイサは出演するが堺をはじめ、安田成美、夏帆、風間俊介、香川照之ら多彩な顔ぶれが映画版には加わる。